2013年6月8日土曜日

淡々としたリアル「チェチェン・ウォー」その1


何度見ても色褪せない秀作。

【データ】
チェチェン・ウォー 
原題:「War」
公開:2002年
制作:ロシア
監督:アレクセイ・バラバノフ
主演:アレクセイ・チャドブ
時間:99分


【原題】
原題は単に「War」。日本語タイトルから、チェチェン共和国とロシアの間に起きた紛争を舞台にした映画だと分かる。しかし原題からみても、監督は一つの紛争などではなく、もっと大きなものを表現したかったのだろう。それは戦争ですら無い、もっと広く大きなものかもしれない。だからこの映画を見るにあたって、特にチェチェン紛争の知識などは必要無い。


【冒頭シーン】
冒頭シーンは、イワンという若い男の自己紹介から始まる。彼にはライトが当たっていて、何かのインタビューを受けているらしい。部屋は暗く、壁はコンクリート剥き出しだ。鉄格子の入った小さな窓が、彼の後ろに見える。途切れること無く煙草を吸い続けるイワンは、どこか他人事のように淡々と語る。


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【粗筋】
チェチェンの武装勢力に捕らえられていた二人の男が、ある取引を条件に解放された。

一人は映画の語り手であるロシアの若い兵士、イワン。
一人はイギリス人の劇団俳優、ジョン。

ジョンは、二ヶ月の間に身代金200万ドルを持って帰らないと、捕らわれたまま残っている恋人がレイプの末に惨殺される。イワンは、ロシア軍に捕まった武装勢力の仲間を連れて帰らないと、残された上官が処刑されてしまう。

帰国したジョンは身代金の半分にも満たない金しか集められず、取引ではなく恋人を奪い返す覚悟でロシアに戻って来る。しかし、ロシア語も出来ない上に戦闘経験も無いので、除隊して帰郷しているイワンを訪ねて助けを乞う。

ジョンの金目当てにやって来る連中もいたが、結局二人だけでチェチェン武装勢力の村に乗り込むことになる。

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